フリーエージェント(FA)で阪神から新加入したヤクルト・藤本敦士内野手(32)が沖縄・浦添キャンプの17日、
紅白戦に「2番・二塁」で初出場した。新天地の“デビュー戦”でさっそく2安打を放ち、遊撃の定位置争いに向けて猛アピール。
あいさつ代わりの一振りだ。一回一死走者なし。藤本がカウント1−1から一場の内角直球をたたき、
痛烈な当たりで一、二塁間を破る右前打を放った。
「自分の思い通りのスイングができた。ピッチャーの球を見られたのが一番の収穫ですね」
初打席で結果を残すと、先頭で迎えた四回にも一場から一、二塁間をライナーで抜く右前打。
六回は西崎に左飛に抑えられたが、2安打デビューにホッとした表情をみせた。
アニキの優しさがうれしかった。休日前の9日、阪神時代にかわいがってもらっていた、
41歳の金本から呼び出しを受けた。
「(学年が1つ上の)“新井大先生”もいて、楽しく食事をしました」。直接のアドバイスはなかったが、
2人ともFA移籍を経験している。“いろいろ大変だろうが頑張れよ”。そんなエールを感じた緊急食事会。
アニキと大先生の思いに応えるため、必死でバットを振った。
「(藤本は)力はある人だから。きょう1本、2本打ったからって、どうのこうのはありませんよ」。
そういいながらも高田監督はニンマリ。遊撃は昨季レギュラーの川島慶が右ひじ痛で2軍調整中だが、
26歳の鬼崎、22歳の川端ら若手も台頭しており、定位置争いで底上げを期待している。
指揮官の信頼に「そうやって言われるのが、一番のプレッシャーなんですよね」と苦笑いを浮かべた藤本。
挑戦者の気持ちは忘れない。そして、定位置を奪う。(長崎右)
http://www.sanspo.com/baseball/news/100218/bsf1002180507000-n1.htm