JR中央線、自殺防止へ対策模索 多発地域に青色照明灯
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20100214/images/PK2010021402100049_size0.jpg 青色照明灯
春日井市内を東西に走るJR中央線で鉄道自殺が後を絶たない。
1月31日昼すぎ、JR勝川駅から500メートルほど東に離れた同市柏井町の踏切で男性(32)
が普通列車にはねられ死亡した。遺書はなかったが、遮断機をくぐって線路に進入するところを
運転士が見ており、自殺を図ったとみられる。この事故で上下線10本が運休し、8000人に影響
した。
警察の現場検証を不安げに見つめていた80代の女性は「ここはしょっちゅう起きて気味が悪い」。
線路脇に住む男性(78)は「踏切の数が多すぎる。JRには地下通路を造ってほしいと何度も言っ
ているんだが…」と顔を曇らせた。同月27日にはJR神領駅構内でも飛び込み事故があったばかり
だった。 春日井署の調べでは、昨年1年間に市内で起きた鉄道自殺は4件でいずれもJR中央線
だった。
JR東海もさまざまな対策を講じている。駅構内での事故を防ぐため、定光寺駅を除く勝川、春日
井、神領、高蔵寺の各駅に緊急停止ボタンを設置。事故の多い春日井−勝川駅間には線路への進
入を防ぐため、延べ1・4キロメートルにわたってフェンスを立てた。
さらに2008年度からは自殺防止に効果があるとされる青色発光ダイオード(LED)の照明灯を導入。
管内の多発地域15カ所で試験的に運用を始め、春日井駅−勝川駅間の6つの踏切にも12基を取り
付けている。
ただ、青色照明灯も「効果は検証中」(同社広報部)で、抜本的な対策にはなっておらず、鉄道会社に
とっては大きな懸案となっている。列車運休など事故で生じた損害を遺族に請求するケースもあり、残
された人たちに精神的なダメージとともに金銭的負担を背負わせる。
では、なぜ鉄道自殺が起きるのか。中部大心理学科の小川浩教授(健康心理学)は「飛び込み自殺は
致死率が高く、『確実に命を絶てる』という思いこみが背景にある」と指摘。特定の場所で頻発する点につ
いては「自殺には連鎖性があり、1つの事故が別の事故を呼ぶ可能性もある」と分析する。
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