山田洋次の映画で面白かったのは武士の一分だけ

いいと思ったのは「幸福の黄色いハンカチ」だけかな。
好きな人には悪いけど「たそがれ」も「武士の一分」も、
日本人の美意識を適当にくすぐって良質な映画に見せてるだけに感じるなあ。
美しい日本の風景に、一癖ある役者の演技をバラまいといて、
その二つに似つかわしくない不自然なまでに出来すぎな結末へ。これが山田映画の作り方。
山田のなにが鼻につくって日本人の美意識や美徳、家族観を
映画の目的でなく手段に使ってるところだ。
これじゃ映画でもなんでもなく主演俳優のPVの延長だ。
もちろん武士の一分だって、笹野独特の台詞回しとか見所はたくさんあった。
でも演技が楽しいのと作品として面白いのとは話は別。そこが最近ボヤけてる。
寅さんはまだ理解できるよ？あれは寅さん自体を観察する映画であって
作品自体が高望みしてないから、ある意味分相応の楽しさがある。