自然生クラブに『地球市民賞』 知的障害者 農業しながら表現活動
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20100127/CK2010012702000110.html つくば市の筑波山ろくで、知的障害者が農業を主体とした共同生活を送りながら、
表現活動に取り組んでいるNPO法人「自然生(じねんじょ)クラブ」が、
独立行政法人「国際交流基金」(東京都新宿区)の「地球市民賞」を受賞した。
二月二十五日に東京で授賞式が開かれる。(小沢伸介)
自然生クラブは一九九〇年に農家を借りて設立。農園で米や野菜を作りながら、
和太鼓を即興演奏する表現活動を始めた。
環境に配慮した有機農業を通じてメンバーの感性が磨かれ、日本古来の田楽を独自に創作した。
現在のメンバーは十八〜五十四歳の男女十五人で、演劇や太鼓、絵画などさまざまな特技を持っている。
海外の芸術家を招いて共同生活しながら創作活動するイベントや、海外での公演活動に取り組んでいる。
同賞選考委員会は自然生クラブについて、「環境と福祉、芸術の活動が自然な形で開花した」と指摘し、
「過去二十五年間の受賞七十三団体の中でも例のない先導的な取り組み」と高く評価した。
柳瀬敬施設長(51)は「その時々の問題を一つずつ解決する中で、おのずと国際交流に展開した。
今までの活動を総括しようとしていた時に名誉な賞をいただき、次のステージへ踏み出す弾みになる」と喜びを語った。
設立二十周年記念事業として、ベルギーの知的障害者の芸術団体「クレアム」を招き、
創作田楽舞と共演する舞台を三月十四日につくば市、十六、十七の両日に東京で開催。
八月にはドイツの芸術祭での公演も予定している。