■投資とは無縁の環境から10億円に至るまで
FXの証拠金10億円、申告していなかった利益は約4億5000万円にも上った磯貝清明氏。投資で1億円の大台に到達することさえ難しいのにかかわらず、
さらに上の10億円という高みに登った。ここまで利益を積み上げることは至難の業で、ほとんどの人がこの領域に足を踏み入れることもなく、夢破れて散っていく。
誰もが憧れる場所に一度は到達した磯貝氏だったが、育った環境は、元々投資とは無縁とも言うべきもの。
埼玉県内でリサイクル業を営む家庭に生を受け、普通に父の仕事を手伝うイチ青年であった。21歳という若さで父の死に面して家業を継承することになったことを除いては。
きっかけは営業マンの押しの強さに負けてスタートした商品先物取引。約1500万円(父親の死亡保険金含む)をなくすのに、大して時間はかからなかった。「もうまじめに働こう」と思った時だった。
「磯貝さん、FXやってみたらどうですか」
この誘いがすべての始まりだった。
略
すでに2年目の2005年には、大台1億円を突破していた。
「いい時で1日のスワップが200万円以上は入ってきていました」
「直接お金に触れていないので、あまり現実味がなかったというか、損が出ても『いつの間に』『仕方がない』と思っていたりして、実感はなかったですね。
でもポンドの買いポジションは1億ポンドで、当時の円換算で約250億円。日本一ポンド/円を持つ男と言われていたくらいです」
2007年についに10億円に到達。この時、すでに埼玉から六本木ヒルズに居を移していた。
「10億円を突破しても、当時の僕の目標は笑われるかもしれないのですが、1兆円になっていました。
自分のトレードは正しい。だから、これからどんどん行け〜という感じだったんです」
2007年7月に10億円に膨らんだ証拠金は、わずか2カ月後の9月には約3000万円にまで減っていた。
その間には、「100年に1度」と言われたサブプライムショックが起きたことで円安が一気に逆流を始めたからだ。
「円安+外貨の高金利」という必勝法則は呆気なくつぶれた。
その翌年の2008年10月に、六本木ヒルズの磯貝氏宅にマルサが踏み込んだのだった。ここから人生が一変する。(つづく)
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/100114/48162.html