「2011年3月期に黒字転換」へ向け成果を出しつつあるトヨタ。商品の中心はもちろん「プリウス」だが、
売れ過ぎたことにより新たな問題も浮上してきた。
同社の10年3月期決算は、円高進行の影響もあって連結営業損失が3500億円に上り、
2期連続の赤字となる見込みだが、11年3月期の黒字転換という目標へ手応えを感じつつある。
ただその一方で心配されるのがプリウスに過度に依存している点だ。新型プリウスはホンダが
昨年2月に発売したハイブリッド車「インサイト」(最低価格189万円)に価格面でも対抗するために
当初予定していた最低価格を大幅に下げ、旧型モデルから30万円も安い205万円に価格を抑えた
こともあって利益が薄い。加えて「高級車が目的で販売店を訪れたユーザーも、エコカー減税など
の影響で最終的にはお買い得のプリウスに流れてしまう」(千葉県内のトヨタ販売店)という状態が
続いており、利益幅が大きい高級車「クラウン」やレクサスの客を儲けの出ないプリウスが奪って
しまっている。
プリウスが爆発的に売れている一方で、「プリウスは売れているけど、プリウスしか売れていない」
(同)という同社にとっては素直に喜べない事態が起こっているのだ。環境車を普及させ、
市場のシェアを奪うのは重要だが、ハイブリッドでどうやって稼ぐかが、新たな課題となっている。
http://news.livedoor.com/article/detail/4541442/