野村証券がイスラム圏に本格参入
野村ホールディングスは31日、2010年にイスラム教の教えに則した手法で資金調達する「イスラム金融」に、日本の証券会社として初めて本格参入する方針を明らかにした。
旧リーマン・ブラザーズから買収した中東の拠点などを活用して、イスラム圏にビジネスを広げ、資金調達や資産運用業務のグローバル体制を強化する。
第1弾として、中東の湾岸地域やマレーシアの金融市場で、野村の顧客企業や自社向けに「スクーク」と呼ばれるイスラム債を発行することなどで、3月までに計100億円超の資金調達を行う。
傘下の野村アセットマネジメントでも、機関投資家からイスラム法の教義に則した受託運用を数百億円規模で始めるなど、グループを挙げてイスラム金融への取り組みを加速させる。
新興の金融センターとして成長が期待される中東の湾岸地域は、オイルマネーを背景に富裕層が多い。
09年11月の「ドバイ・ショック」で経済の失速が懸念されたが、原油価格は1バレル=70〜80ドルで推移しており、中東金融市場は引き続き日本企業の有力な資金調達源になると期待されている。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100101-OYT1T00599.htm