■ 職に就けず、「派遣切り」男性の1年
雇用をめぐる状況は依然、厳しいまま。1年前、派遣切りにあった男性の取材を続けてきましたが、この男性は今も仕事が見つかっていません。
「(履歴書)出しても出しても書類を出しても返事がない」(26歳の男性)
26歳の男性。仕事が見つかりません。解雇されてから、もう1年たちました。
男性は、東京都内の自動車工場で、期間工として働いていましたが、今年1月末、解雇されました。
「(今なんで見るのやめた?)学歴です。高卒以上とあるが(自分は)中卒なので」(26歳の男性)
中卒で資格を持たない男性に、応募できる仕事はあまりありません。ハローワークには毎週通いましたが、面接に辿り着けません。
解雇から半年。パソコンの資格を取ろうと、無料の国の「職業訓練」を受けました。
しかし、自己負担である「資格取得の費用」は捻出できず、資格を取ることはあきらめました。訓練は就職には役に立ちませんでした。
解雇の後も住み続けた寮。早く出るよう言われていました。
「(寮を)出て行くと住むところがないと。住むところがないと誰も雇わないわけで(出て行けない)」(26歳の男性)
8月末、失業手当の給付は終わりました。寮を出れば、即、野宿生活になります。
秋。仕事は見つからず、時々のアルバイトで生活をしていました。寮も出るよう言われ続けていました。再び、職業訓練を受けたいと思いましたが・・・
「国の職業訓練を1回受けると、その後1年間は受けられないんです」(26歳の男性)
就職活動は難航したままでした。そして、解雇から1年たった今月28日。100社以上に履歴書を送りましたが、返事は1社からも返ってきませんでした。
「母親も“派遣切り”で首切られて、派遣を点々としていて、生活するのがやっとの状況なので、頼ることはできないし、逆に本当は助けなきゃいけない側なんだけど」(26歳の男性)
「派遣村」から1年。あれから失業者は75万人増えました。(28日17:37)
http://www.mbs.jp/news/jnn_4319955_zen.shtml