重慶晩報によると、2008年に表面化した、有毒物質のメラミンがミルクに混入されていたため
大規模な健康被害事件に対する責任問題で、職を失った高級官僚が次々に「復帰」していることが、
28日までに分かった。
同事件は、酪農農家などが乳業会社に原乳を納入する際、含有するたんぱく質の量を
多く見せかけるため、それまでの検査法では識別できなかった有毒物質のメラミンを混入したことで発生。
中国政府によると、乳幼児を中心とする約30万人に健康被害が出た。メラミン混入のミルクが原因で
死亡した可能性がある児童が6人程度いるとの政府発表もあったが、「死亡から時間がたっているので
遺体がなく、断定することはできなかった」という。
同事件では、最も大きな健康被害を出した乳業会社の三鹿集団会社幹部の刑事責任も問われ、
元董事長(代表取締役)に無期懲役の一審判決が言い渡された。三鹿集団の原乳検査を
すり抜けるためのメラミンを含む混入物を製造・販売したとして張玉軍被告らには死刑の一審判決が
言い渡された。
政府機関では、商品などの品質検査・監督を行う中国政府・国家質量監督検験検疫総局(質監総局)の
李長江局長(写真)が08年9月22日に引責辞任するなど、高級官僚の「失職」が相次いだ。
重慶晩報によると、李前局長は12月24日から25日まで江蘇省を視察した「掃黄打非工作チーム」に
副チーム長として参加したことが分かった。同チームは、わいせつ・非合法出版物・情報配信を取り締まる
政府組織だ。
09年3月に、中国共産党の中央紀律委員会により、「記録処分」となった質監総局食品生産監督局の
鮑俊凱局長は、安徽省の出入入境検験検疫局長に異動となったことが分かった。同「記録処分」は職務上の
失敗を公式記録に残す制度で、通常ならば、その後の人事に大きな影響をもたらす。
しかし鮑局長の場合、官僚の序列では「昇進扱い」という。
(略)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1228&f=national_1228_022.shtml