「ノーベル賞受賞者や、宇宙飛行士も、事業仕分けには大変怒っている。(このまま)黙っていて、
弱者の引きこもりやニートはしょうがない、と思われたら大変だ。何かの形で声を上げなければ…」
08年度の入塾者は、全国28か所の施設で、定員の1200人に対し、わずか490人。国が「ニート」と呼ぶ
無業者の推計が約64万人と言われる中で、自立塾への参加率は、たった0.1%に過ぎない。若者自立塾の
卒塾6か月後の就労率は約55%で、2年前に比べて10%低下したという。さらに、相談から自立までを
支援する厚労省の通所型施設「地域若者サポートステーション」が、全国に92か所ある。つまり、
「自立塾は、国税を投入するだけの効果が上がっていないのではないか」というわけだ。
自立したはずの社会人が、「ある朝、突然、動けなくなる」「会社に行こうとしても、家から出られなくなる」
――そんな「引きこもり」するオトナたちはいま、確実に増え続けている。
例えば、東京都が昨年、国がニートと定義する15〜34歳の男女に絞って無作為抽出した大規模な
調査結果をみても、「自室からほとんど出ない」「自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」などの
引きこもり状態の人が、都内に少なくとも2万5千人以上いると推計。「引きこもり予備軍」を含めると、
その合計は、都内で約20万人に上る計算だ。
引きこもる原因は、28%余りが「職場不適応」でもっとも多く、「病気」が25%、「人間関係の不信」が約22%と
続く。性別では、男性が約7割を占め、年齢では30〜34歳が群を抜いて多く、44%にも上った。
調査していない35歳以上も含めれば、水面下には、かなりの数の引きこもりがいることは間違いない。
都が行っている引きこもり電話相談の対象者は、「6人に1人以上」が40代。50代以上からも、
メール相談が寄せられている。国も今年から若者自立塾や地域若者サポートステーションの対象年齢の
上限をおおむね「35歳未満」から「40歳未満」に引き上げた。
http://diamond.jp/series/hikikomori/10001/