“乃木うどん”再現へ/元自衛官の前川さん研究
“乃木うどん”ってどんな味?
かつて陸軍第11師団長として香川県善通寺市に赴任していた乃木希典。その乃木が隊員に推奨し、讃岐うどんを広めるきっかけにもなったという通称「乃木うどん」を再現する動きが香川県内で始まっている。
3日には、善通寺陸上自衛隊で隊員の昼食用に約1千食を再現。ゆかりの地で、乃木の意外な功績をしのぶ。
こうした動きのきっかけとなったのは、三豊市出身の元自衛官で、武蔵野学院大の特任教授を務める前川清さん(75)=埼玉県在住=が、昨年発表した乃木と讃岐うどんに関する研究報告。
前川さんは1985年に陸上自衛隊第2混成団(現第14旅団)の団長として赴任。地元の古いうどん屋や郷土史家たちに聞き取りを始め、1898年から1901年まで第11師団長を務めた乃木が、
地元出身の隊員たちのうどん好きに目を留め、栄養価や体力作りの面からうどんを部隊食にするよう発案したことなどを知った。
前川さんによると、乃木が推奨したのは、イリコの濃いめのだしを使ったうどんで、力が出るように餅(もち)や肉をトッピング。
隊員たちはこれを「乃木うどん」と呼び、除隊後、郷里でうどん屋を開店する者も現れるなど、讃岐うどんが全国に広まる一つのきっかけになったと推測する。
香川県内では、前川さんの研究を基に9月と10月に試食会や料理講習会が開かれた。善通寺陸上自衛隊ではこの時のレシピを参考に、3日の昼食で乃木うどんを約1千人の隊員に振る舞うという。
「乃木はどう戦うかだけでなく、隊員の健康や衣食住にまで気を配った。東郷平八郎の海軍カレーのように、乃木うどんが軍隊料理の代表的なメニューになるとうれしい」と前川さんは話している。
http://news.shikoku-np.co.jp/kagawa/locality/200912/20091201000113.htm