男性同性愛者の酒場「同志」、注目過剰で開業延期―中国・大理
1日付中国新聞社電によると、中国雲南省の大理市で、男性同性愛者向け酒場「同志」
の開業を延期した。同酒場は地元政府がHIV(エイズ・ウイルス)感染予防の活動拠点に
なるとして支援しているが、注目が集まりすぎたことが原因で開業を延期した。
当初は12月1日開業の予定だった。大理市はHIV感染者が多い地域で、県級市として
全国10位内だ。同市衛生局の蒋安民副局長によると、以前はHIVの主たる感染経路が
薬物乱用だったが、最近は男性間の同性愛行為による感染が32%に高まった。男性同
性愛者の感染率は5.9%と、高い水準に達したという。
同市政府は3年間の検討を経て、感染予防の活動拠点として、男性同性愛者を主な
顧客にする飲食店の建設を決定。建設のため12万元(1日為替レートで約153万円)を
投じることにした。建設場所の選定や準備活動では、ボランティア・スタッフが大きな役
割を果たしたという。
しかし、興味本位の報道なども相次ぎ、同酒場は好奇心にさらされるようになった。そ
のため、ボランティア・スタッフも運びにくくなり、同性愛の男性客を集めるという当初目
的も果たせないと予想されるため、開業を延期したという。
蒋副局長は「奇妙なものを見るような視線を投げかけないでほしい。普通に接してもら
えれば『同志』は開業できる」と訴えた。
中国の男性同性愛者数は約1800万人。大理市には1500−2000人が在住していると
される。(編集担当:如月隼人)
http://www.excite.co.jp/News/china/20091201/Searchina_20091201077.html