千葉駅建て替え難航 複雑構造で「難工事」に
JR東日本が進める千葉駅の駅舎と駅ビル「ペリエ1」(地下1階、地上6階建て)の建て替え計画が
難航している。駅ビルが線路に挟まれているなど構造が複雑であることから予想以上に工事が難しく、
基本設計の完成が予定より大きく遅れている。千葉の新たな表玄関の青写真はどのように描かれるのか。
「県都の玄関口にふさわしい立派なものにしたい」
梅原康義JR千葉支社長が記者会見で建て替え計画を発表したのは昨年9月。当初、今の約600メートル東
にあった千葉駅は1963年に現在地に移転。それから築46年が経過し、老朽化が目立つとともに耐震化の
必要に迫られている。
会見では、駅舎をホームの真上に建てる「橋上駅」とする▽東口側は1階、西口側は3階とずれている駅舎・
自由通路の高さを建て替え後は合わせる▽千葉都市モノレール駅舎との連絡をスムーズにする−などの
方針が示された。完工時期は「未定」としたが、基本設計の完成は2008年度中、着工は10年度中との目標も掲げた。
ところがその後、設計はなかなかまとまらない。予定を過ぎ今年度に入ると、「もう少し経てば」「秋ごろには」などと
JRの示す時期は延び延びに。予定から約8カ月が経過した今月19日の記者会見で梅原支社長は、
「何とか12月に示せれば」と述べた。
設計作業が遅れているのはコスト削減や工期短縮の研究などさまざまな理由があるが、最大要因は
駅の構造や立地の複雑さに伴う工事の難度の高さにある。
「通常は線路の『外側』に駅ビルや駅舎が建てられることが多く、そうであれば工事はずっとやりやすかった」(千葉支社広報)
JRがそう漏らすのは、千葉駅が線路の「内側」に建造物を持つ珍しい構造のため。駅ビルはYの字型に開いた
成田・総武本線、外房・内房線の間に挟まれている。さらに東口前にはモノレール駅舎が近接し、
駅ビル裏にもJRの施設がある。四方が囲まれているため、大型の建設機械を近くに配置するのが難しい。
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