10、20代の若者が集まったサッカーチーム「FC椿森」が22日に初の対外試合にのぞんだ。チームを立ち上げたのは山田大虎(だい・き)さん(23)。
補導され、更生保護施設で保護されたこともあったが、グラウンドでボールを追うことで立ち直った。
他のメンバーも同じような境遇の仲間たちだ。彼らをサポートするのは非行少年の更生を支援する千葉市のNPO、ユース・サポート・センター
友懇塾理事長の井内清満さん(62)。試合相手が見つからないという悩みを聞いてデビュー戦のきっかけをつくった。(畑山敦子)
山田さんは千葉市出身で小学校1年からサッカーを始めた。Jリーガーを目指して中学からジェフユナイテッド市原・千葉のユースチームに加入。
MFとして試合にも出ていたが高校1年のときにコーチと意見が対立してチームをやめ、サッカーから遠ざかり荒れた。
「目標がなくなり、悪い仲間とつきあうようになった」と振り返る。
だが、母親が自分のために相手に頭を下げているのを見て、「このままじゃだめだ」と思った。施設を出た後に塗装会社に就職した。
サッカーに再び出会ったのは19歳の時。中学時代の先輩に誘われて久々にプレーした。そこで、自分の戻る場所はサッカーだと気づいた。
自分と同じようにサッカーをあきらめていた小中学校時代の仲間を説得した。「チームつくるからまたサッカーやろうよ」と声をかけると
「おー、いいよ」という仲間もいれば「自分はもういいよ」という友達もいた。何度も何度も誘ってメンバーを集め、07年夏にチームを結成した。
チーム名は山田さんの故郷千葉市の地名からとった。14〜27歳の20人が所属し、毎週土曜夜にスポーツコミュニティー浜野で練習を重ねていた。
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