9月に茨城県内の有効求人倍率が0・37倍と過去最低を記録するなど厳しい雇用情勢が続く中、
橋本昌知事は27日、県内の経済4団体に対し、新卒者採用枠の拡大を要請した。来春卒業予定の
高校生の内定率は、10月末現在で前年同期に比べて10ポイント超も下回っている。県も幹部職員らが
県内企業を回って新卒採用枠の拡大を要請するなど、雇用改善に向けて動いている。(前田明彦)
景気の低迷に伴う雇用情勢の悪化が止まらない。県が27日に発表した県内雇用情勢によると、
10月の有効求人倍率は0・39倍で、9月とほぼ変わらず、依然として過去最低水準だった。
また、10月の新規求人数は前年同月比17・3%減の1万256人。一方で新規求職者数は
同24・7%増の1万4116人となり、企業側が新規雇用を抑制し仕事を求める人が増加する
雇用のミスマッチが拡大している。
特に来春卒業予定の高校生を取り巻く状況は極めて厳しい。10月末現在で高校生の
求人倍率は0・9倍で、前年同期の1・58倍を大きく下回っている。昨年は10月末現在で
67・8%が内定していたが、今年は53・7%と伸び悩み、就職希望者4482人のうち
半数近くが就職先が決まっていない状況だ。
状況を改善しようと、橋本知事と植松弘・茨城労働局長は27日、水戸市内のホテルで
県経営者協会など経済4団体に対し、新卒採用枠の拡大を要請した。橋本知事は
「子供たちが社会に出るときに職がないと、何をするのかということになる」と訴え、
同協会長の関正夫・関彰商事会長は「1人でも多く働けるようにしたい」と応じた。
ただ、会合では「結局、景気が良くならないと…」との意見も出た。全国的にも景気が
回復しない中での採用拡大に企業側が及び腰のなっているのが現状だ。
鈴木欣一教育長ら県職員は、今月中旬から下旬にかけ、県内企業94社に出向き、
採用枠の拡大を要請している。
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/ibaraki/091128/ibr0911280250000-n1.htm