理研の京速コンピュータープロジェクトに使う予定の富士通製SPARC64 VIIIfxは
まだ試作段階にも係わらず現行チップと比較して性能世界一を標榜しているが、
米国Sun社が開発したCPUに富士通が256bit SIMDユニットを独自拡張した
非常に高価なチップで、1コアあたりのSIMDユニットの倍精度演算能力が16GFlopsと
現行のIntel Nehalemの1.3倍くらいしかなくて、なおかつスカラ演算能力では大きく負けてる。
SPARC64 VIIIfxはそのコアを1チップに8コア積んで128GFlopsの演算性能を
実現してるので、チップ面積は513mm2とかなり大きくなってる。(Nehalem4コアの2倍以上)
売りのSIMDユニットの倍精度演算能力も同時期に出るIntelのSandy BridgeのAVXによって
1コアのクロックあたり性能で並ばれて、大きなクロック差が効いて1コアあたり性能では完敗する。
そのせいで、チップ面積半分以下のSandy Bridge4コア版に、SPARC64 VIIIfxは倍のチップ面積と
倍のコア数を積んでるにもかかわらず性能で並ばれてしまう。そして性能対コストの面では
量産品と専用品の差は大きく10倍くらいの差がついてしまう予想されている。
TOP500のスパコンが軒並みAMDやIntelのx86系CPUやPowerPCを
使ってるのも安価に入手できる汎用CPUが抜群にコストあたり性能が高いから。
スパコンTOP500、CPU別シェア
シェアのほとんどを占めるパソコン用安物CPU
ttp://www.top500.org/stats/list/34/procfam ・Intel x86_64・・・79.2%
・PowerPC・・・10.4%
・AMD x86_64・・・8.4%
合計98%