大阪府の橋下徹知事に存廃を含めた抜本的改革を迫られた大阪府立大学(堺市中区)が揺れている。
「年間100億円超の府費を投じるのは疑問」と迫る知事に対し、大学側は改革の主導権を握ろうと躍起だ。
学部を7から4に削減し、総合大学から理工系中心の大学に転換するスリム化方針を打ち出し、生き残りを図る。
11月末に改革案をまとめる予定だが、反発する声が身内から上がっている。
(中略)
「府はあまりにも無理解だ」。削減対象となった経済学部のベテラン教授は憤る。同部の今春の志願倍率は6倍に上った。
「同じ経済学部でも大学ごとに専門分野が違う。文系は理系のように巨額の予算も必要ない。人気もあり、金もかからない学部をなぜなくす必要があるのか」
大阪府大学教職員組合中央執行委員長で、同じく削減対象の人間社会学部の望月彰教授は「知事は大きな権限を背景に拙速な議論を迫っている。
大学の自治がないがしろにされている」と語気を強める。週2回のプロジェクトチームの会合では反論が相次いでおり、先行きは不透明だ。
学生にも戸惑いが広がる。
人間社会学部1年の女子学生(19)は「保育士の資格が取れるので府立大を選んだ。学部がなくなって後輩が入ってこなかったら悲しい」。
大学院工学研究科2年の男子学生(26)は「総合大学じゃなければ受験していなかった」と話す。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200911170055.html