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32 猿轡(東京都)
「平成」・・・希望のなさと分厚い閉塞感・・・まさに最悪の時代である

サンデーらいぶらりぃ:水口 義朗・評『ドキュメント 昭和が終わった日』佐野眞一・著

◆平成の閉塞感の淵源
◇『ドキュメント 昭和が終わった日』佐野眞一・著(文藝春秋/1470円)

「平成時代の希望のなさと分厚い閉塞感は、どこから来たのか。
その遠い淵源は、昭和天皇の死と、これと相前後してこの国を覆ったバブルの時代、
そしてバブル崩壊の直前に起きたベルリンの壁の崩壊という世界史的変化に求められるのではないか。
本書はこうした仮説から生まれた」とドキュメントの一人者は著す。

 第一章「偉大なる君主の死」では、米軍の沖縄駐留は天皇自身の希望で、
それゆえに、贖罪感が時とともに重くのしかかり、沖縄訪問への執念となる。

『昭和天皇最後の百十一日』を高木侍医長が著しているが、本書は君主と周辺の人たちの闘病のディテール、
「拝訣」(崩御後の天皇に対面すること)前後の様子が克明に描写される。
さらに、天皇の「現役」であることへの決意と意思、内面の遍歴、
「なんといっても大戦のことが一番嫌な思い出であります」という発言の真意の検証。

 第二章「『平成』改元の内幕」も、スリルとサスペンスに満ちた政府内手続騒動。
本書を読んでいてアッと思った。侍医、伊東貞三『回想の昭和』によれば、
「要するに、マッカーサーは戦後の一時期、“征夷大将軍”の位を昭和天皇によって与えられた」という本音。
その証しに、マッカーサーは勲一等旭日大綬章を授与されている。

第三章「昭和の終わりとたそがれ日本」。第四章「『物語』の終焉はなにをもたらしたか」。
人間は「物語」がなければ生きられない動物と考える著者は、昭和天皇の死という正夢、
大きな物語の代償を求めて、拝金主義、バブル、オウム、犯罪が狂乱したと、その逆夢をたどっている。

http://mainichi.jp/enta/book/review/news/20091117org00m040025000c.html