http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20091117/CK2009111702000119.html 気象庁の地域気象観測システム(アメダス)のうち、山岳部の観測点七十四カ所が今月で廃止されることが分かった。
県内では赤城山(前橋市)など六カ所が対象となり、二日に既に廃止された。長年の貴重な雨量データが途絶えるだけ
でなく、豪雨監視に支障を及ぼす恐れもあり、廃止を疑問視する声が出ている。
廃止対象には、一日に降った雨量の日本記録を持つ三重・奈良県境の日出岳(ひでがたけ)(一、六九五メートル)も
含まれる。このほか、青森県の八甲田山、山形県の鳥海山、福島県の吾妻山、岐阜県の柄石峠、宮崎県の霧島御池
(きりしまみいけ)など、二十八道府県にわたる。
いずれも標高数百〜千数百メートルの高地で、大半が一九七四年から三十五年間にわたって雨量を自動観測してきた
(冬季は休止)。県内など一部は今月初めに廃止され、残りも二十日で廃止となる。
県内で廃止されたのは、赤城山のほか、高手山(川場村)、野反湖(六合村)、雨見山(みなかみ町)、一の字山(安中市)
稲含山(甘楽町)。赤城山は、九一年に一日で三四〇ミリ、月間八二七ミリの大雨を記録した。
同庁は廃止について「(レーダーなどで推定する)解析雨量の精度が向上しており、防災上の影響は少ない。山岳部は機器の
保守も大変な手間がかかる。費用対効果も考えなければならない」と説明。今回の廃止で年数百万円の予算が浮くとしている。
庁内では「来年から今よりきめ細かく市町村ごとに警報・注意報を出すという方針が決まっている。そういう時に、観測点を
間引くというのは逆行している」との声も出ている。