激しい関節痛を伴う生活習慣病、痛風の主要な原因となる遺伝子の変異を、防衛医科大や東京大、
東京薬科大など11機関のチームが突きとめた。患者の8割がこの変異を持ち、ない人に比べて
26倍痛風になりやすい変異もあった。個人差に応じた予防や治療法の開発につながるという。
4日付の米科学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシン電子版に掲載される。
痛風は血液中の尿酸の濃度が高い状態が続いて起こる。07年の国民生活基礎調査によると、
痛風で通院している人は約85万人。関節などに尿酸が結晶化してたまり、炎症が起こって痛みを
生じる。まれな先天性の代謝異常で起きる場合を除き、多くは原因が不明だった。
チームが見つけたのは、腎臓や腸管から尿酸を体外へ排出する働きをもつと考えられる「ABCG2」
という遺伝子。この遺伝子の配列のうち、尿酸が排出されにくくなる変異を5カ所突きとめた。
痛風患者を含む尿酸値の高い人と正常値の人計1千人以上の男性を対象に、変異の様子を調査。
五つの変異のうち重要な変異は2カ所で、患者の8割がどちらかの変異を持っていた。
変異の組み合わせによって、尿酸の排出機能が4分の1以下に減る患者が1割おり、全く変異を
持たない人よりも26倍痛風になりやすいことも分かった。
松尾洋孝・防衛医科大助教は「遺伝子変異があれば必ず痛風になるわけではないが、二つの変異が
あるかどうかで、なりやすさが分かる。リスクの高い人は食事療法をするなど、早期の予防や治療に
役立てることができる」と話している。
http://www.asahi.com/science/update/1104/TKY200911040459.html 依頼
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1257159351/304