日本は低学歴国家。大学院生比率が少なくアジア諸国内ですら顕著に低学歴が際だつ。
(略)
実際、従来型の日本的人材養成システムから生み出される人材は、企業特殊的な「ジェネラリスト」で、
汎用的な専門能力は決して高くない場合が大半である。それゆえ、所属する企業が成長しない限り、十分に報われることはない。
しかし、もはや(1)のように日本経済の期待成長率は低いのである。
したがって、より外部教育機関(例えば、専門職大学院)を活用した人材養成と、そうして養成された人材に適合的な労働環境の
提供を図っていくべきだということになる。
ところが、現実の日本は、他の先進国と比較したら顕著に、アジア諸国の中でも相対的に低学歴国になってしまっている。
要するに、もっぱら学卒止まりで、大学院生の比率が格段に低い(この点については、元文部科学省の大森不二雄氏による
日本経済新聞10月23日付け「経済教室」の記事を参照されたい)。その上で、大学生があまり勉強していないということで、
どのような将来が期待できるのであろうか。
たぶん、5〜15年後くらいには、20〜40歳代の日本人は、同じ年代の中国人や韓国人、他の東アジアの人々と
全く同じ土俵の上で競争しなければならなくなると思った方がよい。そのとき、相手は当然のように修士号程度の学位
はもち、流暢に英語も話すだろう。そのときになって、「大学生のときにもっと勉強しておけばよかった」と後悔しても
取り返しはつかない。われわれの世代も、同じような後悔をよくするけれども、いまの学生以下の世代においては、身を
もって悔いることになりかねない。
学生諸君、いまから勉強しておいた方がいいよ。老婆心ながら、そう思う。
http://agora-web.jp/archives/793423.html