経済不況の影響で、私立高校の入学者が過去最低を記録した大阪府は28日、来年度の
新入生から、年収350万円以下の低所得世帯の府内の私立高校生の授業料を無償化する
方針を決めた。その一方で、公立高校の入学定員を今年度より3千人以上増やす計画だ。
鳩山政権は来年度から公立高校の授業料を無償化する方針で、公立の志願倍率が一層
高まる可能性がある。生活難から私立に進めず、公立入試にも落ちて「進学難民」となる
のを防ぐ狙いだ。
高校進学のセーフティーネット(安全網)を私立にも担わせるための支援策の一環。
新2、3年生や高等専修学校生についても、授業料の無償化を含めた助成を検討している。
様子見の都道府県が多い中、府はいち早く「私立も無償化」を宣言し、受験に備える
中3生や保護者らの不安を解消したい考えだ。
府私学・大学課によると、府内の私立高校94校の平均授業料は約55万円で、これ以下
の私立高校を就学支援策の推進校に指定。府内在住の年収350万円以下の世帯の子ども
で来春、推進校に入学する新入生について、府が国とともに授業料相当額を私立側に支給
する。授業料が55万円を超える場合でも、奨学金制度を創設するなどして差額分を私立側
が負担すれば推進校に指定する。
http://www.asahi.com/national/update/1028/OSK200910280072.html