落合監督、話すのいやならやらない方がよいのでは?
【甘口辛口】
相手の日本ハムナインも一緒になった感動的な胴上げが、これも“人徳”かNHK衛星の
生中継の枠にきっちり収まった。大病もせず、74歳までユニホームを着続けた楽天・野村
監督の幸せなラスト。“長生きも芸のうち”とはよくいったもので、選手・監督合わせて46年
というノムさんの野球界への貢献度は計り知れない
▼喜怒哀楽や人情の機微が凝縮され、真意や真実が隠されたその“ぼやき”も、また
一つの芸として心をとらえた。かつて、漫才では世相をやり玉にあげ「責任者出てこい」と
笑わせた人生幸朗・生恵幸子のぼやき漫才が人気を呼んだが、“ピン”のぼやきでは
ノムさんの右に出る者はいないかもしれない
▼最後の指揮後の会見では「人間は何を残すかよく考えるが、人を残すことができた」と
話した。どの社会でも自己の名誉や出世のため後進の芽を摘み、足を引っ張る人間は多い。
えてしてそういう人の方が評価を集め、出世する世の中。ノムさんの言葉は政治家、学者、
サラリーマン…あらゆる世界に通じる至言ではないか
▼パもセも盛り上がったCS。一つ残念だったのは、ノムさんとは対照的な中日・落合
監督の木で鼻をくくったような各試合後の談話だった。中でも「聞くな。記者の聞きたい
ことぐらいわかってる」の一言には驚く。監督にとっては、いちいち話す気にもなれない
初歩的なことでも、記者はファンに成り代わって聞いている
▼勝っても負けても、ファンのためにチームを代表して話すのも監督の大事な仕事だ。
何も気の利いた話を要求しているわけでもない。そんなに記者に話すのがいやなら監督
などやらない方がいいのではないか、と老婆心ながら思う。(今村忠)
http://sankei.jp.msn.com/sports/baseball/091026/bbl0910261209005-n1.htm