老朽化した団地の有効活用を目指し、独立行政法人・都市再生機構西日本支社が、堺市西区の向ヶ丘第1団地で、
5階建ての団地を3階建てに改修する「減築」などの実証試験を行っている。来春に完成する予定で、
“モデルルーム”を公開。全国各地で老朽化が進む団地の建て替えに代わる手法として、検討するという。
同機構によると、向ヶ丘第1団地は1960年代、エレベーターのない中層団地として計40棟が建設され、
最盛期には約1000世帯が生活。現在は建て替えが進んでおり、最後に残った入居者のいない3棟を実証試験に使うことにした。
「減築」は5階建ての1棟で行い、4、5階部分を丸ごと取り除く。上部の重さを減らすことで耐震性を向上させ、
階段の上り下りを楽にすることなどが狙い。さらに、外壁を改修して外断熱を導入するほか、部屋を改造して「菜園付き住宅」にリフォームするという。
ほかの2棟(4階建て)は、エレベーターを設けてバリアフリー化し、壁を取り払って2戸分を一体化。
居住空間やバルコニーを広げ、快適な住環境を作り出す試みも行われる。
同機構は、全国で約76万戸の賃貸住宅を管理・運営。うち、昭和40年代の建設が約32万3000戸に上り、
大半が階段しかない中層団地。老朽化で建て替えとともに、既存の建物を生かした改修が課題になっている。
3棟とも入居者募集は行わないが、完成後に一般公開するといい、同機構西日本支社は「一般の方々の評価を聞きながら、
建物の再利用に向けた事業化にも取り組みたい」としている。
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