【依頼57】
海を漂うごみをバルーンに積んだカメラで上空から発見し、回収に役立てるシステムを産業技術総合研究所などが
開発し、長崎県・五島列島沖で23日、実証試験を行った。ごみが多く集まっている海域を見つけだし、海岸に
漂着する前に、作業船で効率的に回収するのが狙いだ。漁船との衝突事故の原因になる流木などの発見にも
役立てたいという。
バルーンはヘリウム入りで長さ6メートル。カメラのほか全地球測位システム(GPS)などを搭載している。ロープで
船と結び、200メートル前後の高さに揚げて、海面に浮くごみの画像や位置情報を無線で船上のコンピューターに
送る。専用ソフトで解析すると、海面のごみの分布などが分かる。
現在のシステムで検出できるのは直径10センチ〜数十センチの漂流ごみ。たこ揚げのように、バルーンを揚げた
まま船で引いて進むことで、幅広い海域を調べられる。
これまでの開発費は約200万円。産総研の馬込伸哉・特別研究員は「航空機や人工衛星を使った場合に比べ、
低コストで簡単に海洋ごみの監視が可能になる」と話している。
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