ネットカフェ犯罪多発…目立つ「本人確認なしの店」
東京都内のインターネットカフェで今年1〜8月に起きた犯罪のうち、7割以上が、入店時に利用客の
本人確認を実施していない店舗で発生していたことが警視庁の調査でわかった。
都内では本人確認をしている店舗が4割弱にとどまることも判明。警視庁は、ネットカフェの匿名性が
犯罪を誘発しているとして、17日、大学教授らによる有識者懇談会を発足させ、入店する度に身分証の
提示を求めるなど本人確認の義務化も含め対策を検討する。
警視庁、義務化も検討
同庁によると、都内のネットカフェは8月末時点で561店。入店時に免許証など身分証の提示を求めている
店は38%(214店)で、残りのほとんどは本人確認をしていなかった。一方、今年1〜8月にネットカフェで
起きた679件の刑法犯を分析したところ、最も多かったのは置き引きなどの窃盗579件で、詐欺67件、
強盗7件と続き、全体の74%にあたる505件が本人確認をしない店で発生していた。
2006年頃からはネットカフェのパソコンを悪用した不正アクセス事件や薬物密売も急増している。
密室性を悪用した置き引き、強姦(ごうかん)も多発し、振り込め詐欺グループが現金の引き出し役の
待機場所にしたり、家出少女がパソコンで売春の相手を探したりしていたケースもあった。
警視庁は07年以降、写真付き身分証による確認や、パソコンの利用記録の保存などを数回にわたり
業界に要請してきたが、店側の自主性に任されているのが実情。1年前の調査時点に比べ、確認の
実施は40・6%から38・1%、パソコンの利用記録の保存は24・6%から13・9%へと減少している。
確認を実施したものの、客からの評判が悪いため、やめた店もあるという。
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20091017-439090-1-L.jpg http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20091017-OYT8T00740.htm