「暴力団の存在は仕方がない」と考える人は若者ほど多く、20代では約3割に上る‐。
福岡県警が県民に行った治安に関する意識調査で、そうした傾向が分かった。県警は
「映画などの影響で、暴力団を美化する傾向が若者に見られる」と分析。13日に
成立した県暴力団排除条例でも青少年への健全育成対策を盛り込んでおり、
暴力団の悪質性などを啓発していく。
■「映画などの影響で美化」
調査は今年5月、県内の20歳以上の男女4546人を対象に実施。回答を得られた
4169人を、各署ごとの人口比で調整して分析した。
暴力団の存在について尋ねたところ、「容認できない」と答えた人は全体で79・7%。
一方で「一般の人に目立った被害がなければ存在しても仕方がない」の回答は
13・8%だった。
年齢別では、「容認できない」の回答が、50代以上は85%を超えたが、
20代では59・7%にとどまった。「仕方がない」と答えた人は、50代以上は
10%以下だったが、30代は20・9%、20代は31・7%を占めた。職業別では、
学生78人の44・2%が「仕方がない」と答えた。
「暴力団から被害を受ければ通報するか」との問いに、「できれば通報したくない」か
「通報したくない」と答えた20代は5・3%で、全体の2倍に上った。
福岡県内では、全国最多の五つの指定暴力団が本拠を構え、組員も増加傾向にある。
このため、県と県警は、中学、高校に警察官や職員を派遣して、暴力団に入らないよう教育する。
県警組織犯罪対策課は「社会経験が少なく、暴力団の悪質さを知らない若者が多いのは
事実。学校などと連携し、少年を暴力団から守る社会を築きたい」と話している。
*+*+ 西日本新聞 2009/10/16[06:53:45] +*+*
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/128546