コミュニティーサイトやプロフィルサイト(プロフ)など、携帯電話やインターネットの一般サイトを通じ、中高生が
性的被害に遭う事件が増えている。異性との交際を目的とする出会い系サイトの規制が強化されたためで、
援助交際の温床にもなっている。
「映画を見に行こう」
札幌市内の女子高校生(17)は7月、携帯電話のコミュニティーサイトで知り合った北海道豊浦町の
無職の男(22)からメールで誘われた。
気軽に市内で会うと、男は「眠いから休憩しよう」などと言い、生徒をホテルに連れ込んでいかがわしい行為に
及んだという。男は8月、北海道青少年健全育成条例(淫行(いんこう)等の禁止)違反容疑で逮捕された。
こうしたサイトには、中高生が援助交際を持ちかける書き込みもあふれている。
札幌市中央区の女子中学生(15)が4月上旬、「援(助交際)するから、金くれる人」と書き込むと、釧路市の
会社社長の男(53)が「3万円でどう」と応じたという。多額の小遣いを持っていることを母親が不審に思い、発覚。
男は児童買春禁止法違反容疑で逮捕された。
警察庁によると、08年に出会い系サイトを利用して犯罪被害に遭った子どもは724人で、それ以外のサイトによる
被害も792人に上る。09年上半期(1〜6月)には、出会い系サイト265人に対し、それ以外が545人に達した。
背景には、出会い系サイトなどの規制強化がある。子どもを誘う書き込みの削除などを業者に義務付けた
改正出会い系サイト規制法が昨年12月に施行。4月には有害サイト規制法も施行され、出会い系サイトなどへの
接続を防ぐフィルタリングサービスの提供が携帯電話会社などに義務付けられた。しかし、いずれも一般サイトは対象外だ。
捜査関係者は「最近は健全サイトで連絡先を教えて個別に連絡を取るケースが増え、違法行為の発見が難しい」と打ち明ける。
一方、石川県議会は6月、小中学生に携帯電話を持たせないよう保護者が努力する規定を全国で初めて
盛り込んだ「改正いしかわ子ども総合条例」を可決した。来年1月から施行される。
http://mainichi.jp/life/today/news/20091007ddm013100182000c.html