サイロ内で倒れ3人死亡 宮崎、飼料発酵し酸欠か
29日午後6時45分ごろ、宮崎県五ケ瀬町桑野内4962、農業宮崎一夫みやざき・かずおさん(60)方にある牛舎軒先の地面に掘ら
れたサイロ内で、宮崎さんら家族4人が折り重なるように倒れていると近所の男性から高千穂署に通報があった。一夫さんと母トミ子
さん(79)、妻シズエさん(59)の3人が病院に運ばれたが死亡した。孫の里久りく君(7)は意識不明の重体。
高千穂署によると、サイロは直径約1・2メートル、深さ約4メートルで、地面から上の部分は高さ約45センチのコンクリート製で、
ふたはなく、中にはしごがあった。4人は穴の中に貯蔵された飼料の上で、下から里久君、一夫さん、トミ子さん、シズエさんの順に
重なって倒れていた。
高千穂署が30日、サイロを実況見分した結果、飼料はブドウの搾りかすで底から高さ約2・5メートルまで積まれていたことが判明。
干し草などほかの飼料はなく、同署は搾りかすが発酵し二酸化炭素(CO2)などのガスが発生して、酸欠になった可能性があるとみて
調べている。
一夫さんは、町や酒造会社がつくる第三セクター「五ケ瀬ワイナリー」の生産組合長で、ワインの製造過程で出た搾りかすを牛の飼料用に貯蔵していたとみられる。
五ケ瀬町によると、この時期には飼料を踏み固める作業をすることがある。
一夫さん方は8人家族。里久君の兄(8)が最初に4人を見つけた。里久君の両親は当時、出産のため熊本県内に帰省中だったという。
近所の農業甲斐一太かい・いちたさん(65)は「サイロをのぞくと、サンダルや帽子が落ちていた。こんな大惨事が起こるなんて」
と驚いた様子で話した。
現場は五ケ瀬町役場から北に約3・5キロの山中で、畑が広がる地域。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200909300296.html 依頼113