「チェンジ」印象薄く 東北の有権者「期待外れ」冷ややか
自民党が衆院選で歴史的惨敗を喫して1カ月。新総裁に28日、谷垣禎一元財務相が決まった。
「無難すぎる」「体質は変わらない」。新たなトップの誕生にも東北各地の有権者の期待感は薄く、
「野党では意味がない」と手厳しい声も上がる。党再建に向け、国民に「チェンジ」を印象付ける道は険しそうだ。
自民党支持者というむつ市の農業男性(62)は「今回の総裁選は候補者の顔触れがぱっとしなかった。
解党的な出直しを掲げていたのに」と興ざめの様子。「谷垣さんはエリート然としていて、
困った地方の気持ちが分かるのだろうか」と疑問符を付けた。
当選10回の谷垣氏の総裁就任に、ベテラン支配への批判も。山形市のパート従業員女性(43)は「若返りせず、期待外れ」と失望感をあらわにした。
「思い切って変わる好機だったのだが」と仙台市青葉区の無職男性(28)も冷ややかだ。
岩手県は衆院選の結果、県選出の自民党国会議員がゼロになった。盛岡市の会社員男性(54)は
「そもそも関心は薄かった。官僚主導で政権を守ってきた政党だけに国民の信頼を得るには相当時間がかかる」と言い切る。
二大政党時代の到来に、自民党へさらなる奮起を求める意見が根強く、「新総裁誕生は再生へのスタート。
公共事業の削減などに挑戦する民主党政権に負けず、国会論戦を挑んでほしい」と山形市の団体職員男性(33)。
宮城県大河原町の司会業女性(24)は「まず党を一つにまとめて」とエールを送る。
それでも、16年ぶりに下野した現実はやはり厳しい。青森市の主婦(64)は「国民の生活に直接かかわるのは与党。
野党の自民党には、今更期待することはない」と素っ気なく語った。
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/09/20090929t71028.htm