【依頼20】
【ニューヨーク=阿部伸哉】二十二日に開幕した国連気候変動サミットでは、米国とともに最大の温室効果ガス排出国である中国の
胡錦濤国家主席が、具体的な数値言及は避けながらも自らの削減目標を提示。ポスト京都議定書の枠組みを決める十二月の国連気候
変動枠組み条約第十五回締約国会議(COP15)に向け、積極姿勢をアピールした。中国の新たな動きで、排出国同士がにらみ
合う膠着(こうちゃく)状態の打開につながるかが注目される。
胡主席は開会式での演説で、二〇二〇年までの中期目標として、〇五年比で二酸化炭素(CO2)排出量を「顕著な幅で削減する
よう努力する」と表明。
また再利用可能なエネルギーや原子力利用を進め、森林を四千万ヘクタール増やすなどの対策を取ると述べた。
中国は、京都議定書では温室効果ガスの削減義務がない。これまでの議論でも自らの削減義務について触れることはなく、先進国
側の一層の削減と環境技術の移転を主張してきた。
ただ米国と合わせて世界のCO2排出量の約四割を占めており、中国の削減義務化はCOP15に向け、大きな課題となっている。
今後は、中国の削減目標の具体的な数字が注目を集めることになりそうだが、国連気候変動枠組み条約事務局のデブア事務局長は
「議論のけん引役となる」と提案を評価。中国の軟化姿勢が各国の譲歩を引き出すことに期待感を示した。
ノーベル平和賞受賞者のゴア元米副大統領も中国の提案に「コップに水は半分、満たされたのではないか」と、今後への期待感を示した。
各国首脳の演説では温室効果ガス削減のほか、先進国側から途上国への資金援助や環境技術移転を訴える声が強かった。
ソース:
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009092302000077.html