経済学者信夫「 地域間格差もっと拡大すべき。郊外は公共投資の効率悪い」
自民党総裁選では、谷垣禎一氏と西村康稔氏が「小泉改革が地方経済の疲弊や格差を生んだ」と
批判する一方、河野太郎氏が小泉改革を継承する姿勢を打ち出し、争点が明確になってきました。
谷垣氏と西村氏が「地方」を強調するのは、国会議員票より多い地方票を意識してのことでしょうが、
はたして今までのように地方に補助金をばらまくことが「地方の重視」になるのでしょうか。
そもそも地域間の格差が拡大したのは、小泉政権が原因ではありません。前にも紹介した図のように、
地方から都市への人口流入は戦後、一貫して続いていますが、90年代に地方の公共事業によって
わずかながら逆流し、小泉政権が公共事業を減らしたため元に戻りました。これによって地方の
土建業が苦しくなったことは事実でしょうが、無駄な公共事業をいつまでも続けることは不可能であり、
これは戦後ずっと続いている長期トレンドに戻っただけです。
http://image.blog.livedoor.jp/ikedanobuo/imgs/a/2/a2ff487e.jpg この人口の都市集中が都市と地方の格差を拡大したことは事実ですが、それがなぜ悪いのでしょうか。
格差が問題なのは地域ではなく、個人です。いくら村がさびれようと、移動の自由があるのだから、
職のある都市に移住すればいい。人口が減って困るのは、村役場の公務員だけです。
たとえばロンドンから郊外に出ると、建物がまったくなくなり、田園風景が広がります。これはゾーニング
によって都市の境界を決めているからです。ところが日本では、東京からどこまで郊外に行っても、
切れ目なく住宅が続きます。これは大規模な戦争を経験しなかったため、城壁としての都市がなく、
農村の田畑の上にそのまま家が建ち、スプロール的に都市化したからです。このため薄く広く
インフラが必要になり、公共投資の効率が悪い。高速道路や新幹線や光ファイバーを津々浦々まで
引く必要はないし、財政的にも不可能です。
以下省略 続きはソースで
アゴラ : 「地域間格差」はもっと拡大すべきだ - 池田信夫
http://agora-web.jp/archives/754164.html