<日経>◇ウィルコム、返済延長要請へ 私的整理で再建めざす
PHS大手のウィルコムが、三菱東京UFJ銀行など取引金融機関に約1000億円の債務の返済期限延長を求める方向で最終調整に
入ったことが18日、明らかになった。私的整理の1つで第三者機関が仲介する事業再生ADR(裁判外紛争解決)手続きに入る方針を
主力銀行などに伝えた。約450万人の加入者がいるPHSサービスを継続しながら、経営再建を目指す。
債務の減免や貸出債権の一部を株式に振り替える「債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)」には踏み込まないもよう。
政府の認定を受けた第三者機関「事業再生実務家協会」の事前審査を経て、来週にも正式な手続きに入る見通しだ。
これとは別に、近く政府が中小・中堅企業の再生を目的に設立する企業再生支援機構に支援を要請することも検討する。
公益性の高い通信事業を手がけていることや、高速無線「XGP(次世代PHS)」など有望技術を持っている点を材料に
公的支援を取り付けたい考えだ。
ウィルコムは米投資ファンドのカーライル・グループと京セラが大株主で、カーライルが60%、京セラが30%、KDDIが10%出資している。
8月末のPHS契約数は前月比4万500件減の447万7100件。携帯電話会社との競争激化で苦戦が続いており、2009年3月期末の契約数も携帯・
PHS5社の中で唯一、前期末に比べてマイナスだった。
ウィルコムの09年3月期の連結純利益は前期比3.2倍の60億円と黒字だが、過去の設備投資などに伴う1300億円近い有利子負債が重荷になっている。
10月から本サービスを始める予定のXGPに、今後5年間で約1400億円を投資する計画で資金繰りが大きな課題になっている。
今後は事業再生ADRの枠組みの中で、取引金融機関と協力して再建計画をまとめることになる。コスト削減策や新サービスを核にした成長戦略を債権者に提示し、早期の手続き成立を目指す。
事業再生ADRを利用した例では、マンション分譲大手のコスモスイニシアや人材派遣のラディアホールディングスなどがある。
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日経新聞朝刊より
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