自民党の派閥をぶっ壊したら、民主党にできたでござるの巻
民主党内の「派閥化」が進んでいる。鳩山由紀夫代表が進める閣僚・党役員人事で、浮かび上がるのは
各グループの実力者を取り込んだ均衡型の配置だ。また、新人百四十三人をめぐる争奪戦が活発化。
かつての自民党の派閥を思い起こさせる光景を繰り広げている。 (西川裕二)
現在、民主党内のグループは、大きく分けて七つ。最大勢力の小沢一郎代表代行グループを筆頭に、
鳩山氏、菅直人代表代行ら、有力者のもとに議員が集まり、定期的に会合を開いている。
鳩山氏は閣僚・党役員人事で、小沢氏を幹事長に、菅氏を副総理兼国家戦略局担当相に起用する一方で、
小沢氏と距離のある前原誠司副代表、野田佳彦幹事長代理の入閣も有力視されている。各グループの
実力者が顔をそろえる見通しだ。
自民党政権では安定した政権運営を図ろうとする場合、バランスよく各派閥の領袖らを閣内に取り込んで、
挙党一致体制をとるのがお決まりだった。鳩山氏は、党を代表する人材を起用する「オール民主」の
布陣を狙っているが、結果的には自民党の派閥均衡型になりそうだ。
一方、各グループの新人勧誘も激化している。あるグループでは現在の所属議員の二、三倍にも上る新人に案内状を送ったという。
これまで民主党のグループは、重複して所属する議員もいるなど「サークル活動」と揶揄(やゆ)されていたが、
政権に就くことで、その性格も変わる可能性がある。というのも新政権では、大臣が副大臣、政務官を選んで
チームを組む。希望のポストを手にするには、閣僚クラスの実力者と行動を共にすることが近道になるわけだ。
自民党の派閥が「カネ」とともに「ポスト」を力の源泉にしたように、民主党の各グループも「ポスト」を求めて
議員が集まり、その力で有力者は代表・首相の座を目指すことになるかもしれない。
注目されるのが、小沢グループの動向。十五日には鳩山、菅、野田の各グループが会合を開くが、
小沢グループは党内を刺激しないよう、当面、新人勧誘もせず、会合も見送る方針だ。
それでも、小沢氏が手掛けた「小沢チルドレン」の大量当選によって、百二十人程度に膨れ上がるとみられている。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009091590071305.html