都道路公社 解散へ 通行量見通し甘く 税金投入、無料化
東京都内の有料道路の新設や管理をしてきた都道路公社が、来年三月末で解散することになった。
現在、唯一、管理運営している稲城大橋有料道路(東京都稲城、府中市)が通行量の伸び悩みで建設費の借金を返せず、
都が四十一億円を“肩代わり”して無料化するためだ。
首都圏の地方有料道路では、需要見通しの甘さから、通行量が計画を下回り、結局、借金返済に税金が投入されるケース
が相次いでいる。
地方有料道路は、借金した建設費用を通行料収入で返済し、完済後に無料化する。
都道路公社は都の出資で一九八八年に設立。
稲城大橋は九五年に開通し、百六十一億円の借入金を三十年間かけて料金収入で返済する計画だった。
しかし、通行量は九七年をピークに右肩下がり。
同年の計画に対する実際の通行量は73%で、二〇〇六年度に50%を切ると、〇八年度には43%まで落ち込んだ。
近くにある無料の多摩川原橋の車線拡張など、建設後に周辺道路事情が変わったことで通行量の伸びは見込めず、
都は「無料化で地域の利便性向上を図った方がいい」(建設局)と判断。
〇八年度にも返済金の不足分十五億円を負担しており、肩代わり分は計五十六億円に上る。無料化は来年四月から。
公社は八王子市の「ひよどり山有料道路」(延長一・六キロ)も運営していたが、ここも通行量は計画の四割程度で、
〇七年に、都は借入金返済に六十九億円を投入して無料化。
二路線合わせて百二十五億円の税金が使われることになる。
埼玉県では、富士見市と川越市をつなぐ富士見川越道路が期限までに借入金を返済できず、県が二十一億円を負担し
先月一日から無料開放。千葉県勝浦市の勝浦道路でも昨年、県が約十億円を負担した。
神奈川県横須賀市の三浦縦貫道路も通行量実績は計画の40%(〇八年度)と低迷。
各都県の担当者は「長期の通行予測は難しい」と口をそろえている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/images/PK2009091302100018_size0.jpg http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009091302000082.html