【コラム】 経済成長率、世界NO.1は意外にもアノ国になる?
サッカーでときどき耳にする中東の小さな国、というイメージがほとんどかもしれないカタール。
実際、秋田県ほどの広さの国なのだが、今、経済の世界で大きな注目を浴びている。国際通貨基金(IMF)
による2009年の実質GDP成長率予測で、182の対象国中、1位になったのがカタールなのだ。
なんと 18%もの予測。世界が不況感に包まれるなか、なぜなのか?
中東といえば石油の輸出が浮かぶが、カタールも経済構造は輸出型。だが、ポイントは石油だけでは
ないこと。世界有数の天然ガスの産地なのだ。1970年代に初めて採掘され、この小さな国の天然
ガスの埋蔵量はロシア、イランに次いで世界3位、液化天然ガスでは1位を誇っている。自動車などの
燃料は今なお石油が主流だが、次世代のエネルギーとして天然ガスは大きな期待を集め、需要増も確実
視されている。実際、この天然ガスを武器に着実に経済を伸ばし、07年時点ですでに一人当たりGDP
ランキングで世界3位に位置していた。
しかし、なぜ不況の荒波を受けないのか。原油価格は大きく下落したが、天然ガスは長期契約が主で
あるため、原油に比べて短期的な価格下落の影響が小さかったという。しかもカタールは、天然資源で
得た収益を国内のインフラなどに積極的に投資、経済を活性化させてきた。不況の影響が大きい海外か
らの投資、投機的な投資ではなく、自国による必要なものへの投資だったのだ。だから、資金が止まった
りしないのである。
こうした旺盛な国内投資の背景にあるのは、海外からの人材流入で人口が急増していること。そのため
のさまざまな社会的基盤の整備が必要になっているのだ。将来的には、アラブ世界の知識や情報の発信
地となる可能性も指摘される。実際、アメリカの名門大学が次々にカタールに進出している。アラブ世
界の中心地としてのカタールの将来性を見越して、だ。
サッカー以外でも、ちょっと気にかけないといけない国、のようである。
http://news.livedoor.com/article/detail/4344738/