街の嫁不足 /埼玉
羽生市が国際結婚の仲介を検討している。相手が見つからない市内の男性に、
フィリピンの女性を紹介しようという男性のためだけの対策だ。それだけ結婚難が深刻という認識なのだろうが、
80年代に東北などの農山村で流行した嫁不足対策と重なる。
当時、日本人の女性が過疎地や農村暮らしを嫌う一方、フィリピンや韓国、中国など経済格差のある国の女性は
豊かな日本にあこがれた。ところが、想像した日本とは違う農山村の生活に、離婚や行方不明になる人が相次いだ。
わずか数日で見合いから婚約まで済ませる安直さが、相互の理解不足を招きトラブルの要因となった。
今は各国も豊かになり、羽生も東京に近く過疎地ではない。それでも、結婚という極めて個人的でデリケートな
事柄に、あえて行政が立ち入ろうというのだから、関心を持って見守りたい。【金沢衛】
http://mainichi.jp/area/saitama/nikki/20090912ddlk11070063000c.html