ますますオンライン化が進むコンシューマーゲームの世界。
CEDEC 2009では「ネットワーク」がひとつカテゴリとして扱われており、様々なネットワーク関連の技術セッションが開催されていた。
P2P技術というと、WinnyやShareといったファイル共有ソフトウェアで採用されていることから、
一般的には「なにか得体の知れない技術」というイメージがあり、
企業側にとっては「通信のクオリティが保証できないのではないか」という漠然とした不安が持たれている。
そのためメーカーの立場としては、大規模な導入にはかなりの抵抗があるのが実情といえるが、コナミではそれをいち早く導入したところに採用事例としての面白さがある。
果たして、コナミがどのようなP2P通信技術を導入し、それがどのような効果をもたらしたのだろうか。
佐藤良氏による実例紹介を通じて、その中身を見てみよう。
佐藤氏が注目したのが「P2Pを利用する」という方法である。
P2Pというと様々なファイル共有ソフトウェアが代表的な例として思い出されるが、
佐藤氏が求めたのは「配信ファイルを管理できる」、「匿名性がない」、「技術的にこなれている」の3条件を満たすプロトコルだ。
そこで見つけたのが「BitTorrent」プロトコルである。
これは米BitTorrentが開発、提供しているプロトコルあるいはソフトウェアで、プロトコル仕様が公開されており、
商用のクライアントソフトウェアのほか、オープンソースで開発されているクライアントがいくつも存在しているなど、手っ取り早く利用するには非常に都合が良いものだ。
理論的には、P2Pでデータを配信する場合、どこか1箇所にソースとなるデータを用意すれば
、あとはそれをダウンロードした利用者自身によって2次配信が行なわれ、連鎖的に利用者間でデータがいきわたることになる。
したがって、データ配信の負担は全体で分散され、配信企業側のコスト負担は相当レベルで軽減される。
佐藤氏はこれを「使う人が、使うだけ負担するモデル」と表現し、インターネットの特性的にもっとも好ましい形態なのではないか、と話している。
ttp://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20090904_313114.html?ref=rss