日本のゲーム会社が今後を議論 「海外を意識」「携帯向けの軽いゲームで」「日本人なら日本向けに」等
日本のゲーム会社が直面する「多様化と多極化」
日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2009」が9月1〜3日に横浜で開催された。参加者は昨年を上回る2500人。
さらに、学生版CEDECと銘打って今年から始まった「業界研究フェア」にも1000人が集まった。規模は一段と拡大したが、それは
ゲーム業界の現場の開発者、経営者の双方が抱く危機感の表れでもある。(新清士のゲームスクランブル)
今年のCEDECの議論は、2つの軸でくくることができるだろう。「大規模化するプロジェクト」対「極小化するプロジェクト」、「国際化
への対処」対「日本のローカル性の追求」の2つだ。この構図はまさに、今の日本のゲーム業界を示している。
■世界で何が起きているか
今回のCEDECでは、エンターブレインのリッキー谷本氏(マーケティング企画部)と筆者で、世界のゲーム産業の動向を概説する
セッションを受け持った。国内外の調査データに通じる谷本氏は、「ゲーム市場そのものは拡大している」と述べ、理由として「多様化」
と「多極化」という2つのキーワードを挙げた。
多様化とは、「iPhone」や「Facebook」などこれまでのゲームプラットフォームとは異なるさまざまなデバイスやコミュニティー空間の
発展を指す。これにより、ゲームのプレーヤー人口自体は明らかに拡大しているが、大半は無料で手軽に遊べるゲームであり、
既存のゲーム機市場には収益面で悪影響を及ぼす。
もう1つの多極化とは、中国、インド、南米などの新興国で誕生しているゲーム市場のことだ。こうした地域では、ネットカフェで
オンラインゲームを遊んでもらうという形で市場が拡大しているが、日本のゲームは存在感がないに等しい。
谷本氏は、こうした分析を通じて日本のゲーム会社を取り巻く環境の厳しさを指摘したが、特に衝撃的だったのは中国市場の動向
を示すデータだ。市場規模の推計は2008年が2388億円で、日本の家庭用ゲーム機ソフト市場の約3000億円に迫っている。早ければ
09年にも日本を追い抜く可能性があるという。
全文はソースで
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000004092009&landing=Next