【日本の議論】日の丸裁断による民主党旗問題 国旗の侮辱行為への罰則は是か非か
鹿児島県霧島市の民主党の立候補予定者集会で、国旗2枚を裁断して作成された“党旗”が壇上に掲揚されていた
問題が波紋を広げている。集会を主催した同党新人候補の後援会は陳謝し、党本部も陣営に厳重注意した。ところが、
同党の鳩山由紀夫代表が、国旗よりも党旗を重視するかのような発言をしたことが火に油を注ぎ、
「日本も法的に国旗の尊重義務を規定すべきだ」との声も出ている。(宮原啓彰)
ことの発端は、8月17日の党首討論会での麻生太郎首相による糾弾だ。
「国家の象徴としての国旗を切り刻むことがあったとは正直、信じたくない。悲しく許し難い行為である。
わざわざシワシワにして並べてかけ姑息(こそく)だ」。
問題の集会には民主党の小沢一郎代表代行も出席。さらに国旗を切り張りした党旗がホームページに掲載される
というお粗末さだった。渦中の候補者の陣営には、抗議の電話が数十件寄せられたという。同陣営は「問題の旗は熱心な
男性支持者が手作りで作成し集会当日(今月8日)に持参した」と釈明。その上で、「国旗の尊厳をおとしめる意図はなく
、主催者の不手際のため関係者に多大な迷惑をかけたことをおわび申し上げる」と頭を下げた。
百地章・日大教授(憲法学)は首をかしげる。「国旗よりも党旗の方を神聖視しているかのような鳩山氏の発言には耳を疑う。
今回の問題は単なるミスというより、民主党の『国家意識の欠落』という体質から出たものではないか。そもそも会場席からも
国旗と分かる代物に、陣営関係者が気付かないのは不自然」。さらに「このような国旗への侮辱行為に刑事罰が科されない
日本が世界的に異常といえる」と続けた。
「国のシンボルである国旗は単なる器物ではない。ナショナル・フラッグへの敬愛の念は世界の常識。本来なら法律で定める
ことではなく教育で教えることだが、日教組が力を持つ戦後の日本では難しい。教育が機能していない以上、法で定める必要も
あるのではないか」と百地教授はいう。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090830/trd0908301601006-n1.htm