経済産業省は28日、光や温度を制御して野菜などを栽培する植物工場の設置に対する補助事業9件を発表した。
東北では、寒冷地対応型植物工場の研究拠点整備を目指す青森県産業技術センター(黒石市)の事業が採択された。
同センターによると、センター敷地内に幅12メートル、奥行き27メートル、高さ5メートルのハウス3棟などを建設し、来年夏に野菜の栽培を開始。
(1)効率的なエネルギー供給システムの確立(2)寒冷地向きの品目選定(3)低コスト栽培技術の開発―をテーマに研究する。
建設費は4億5300万円で全額補助される。
エネルギー供給システムでは、太陽光や風力による発電のほか、暖房用に堆肥(たいひ)発酵熱、冷房用に雪氷をそれぞれ用いたり、
粉砕したホタテ貝殻などを断熱材として再利用したりと、県内のバイオマス資源の有効活用が検討されている。
栽培品目はイチゴやホウレンソウ、ニンニクなどが有力で、冬場を含めた通年栽培技術の確立を目指す。
研究成果に基づき、県内の農家や企業に対する技術指導や人材育成に取り組み、植物工場の普及を促進する方針。
同センターは「積雪の多い青森は冬の農業が大きな課題で、事業採択の意義は大きい。
年間を通して安定的に農産物を生産する技術を確立し、地域経済の活性化に貢献したい」と話している。
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/08/20090829t21007.htm