HIV感染 阻害物質の作用解明 いわき明星大田中教授
いわき明星大薬学部の田中晴雄教授(化学療法学)は25日、エイズウイルス(HIV)感染を
阻止するタンパク質「アクチノヒビン」の作用メカニズムを初めて明らかにしたと発表した。
北里大(東京)との共同研究で、米国科学アカデミー紀要の電子版に発表される。田中教授らは
研究成果を基に世界保健機関(WHO)と共同でエイズ予防薬の開発を進める。
アクチノヒビンはHIVが細胞に感染するのを阻害する物質。田中教授が北里大に在籍していた
1999年に発見した。
田中教授によると、アクチノヒビンの「ポケット」状の部分が、HIVの表面にある突起状の糖鎖を
包み込むことが分かった。感染はHIVと正常細胞の糖鎖同士が絡みつくことで起こる。HIVの
糖鎖を覆うことにより、感染能力を奪うことができるという。
アクチノヒビンはHIVだけを選んで包み込み、ほかの細胞には影響を与えないため副作用も少なく、
安全性が確保されるという。今後はサルを使って実験し、年度内にもWHOとエイズ予防薬の共同
開発に乗り出す予定。将来的には治療薬開発も目指す。
田中教授は宮城県村田町出身で、東北大農学部卒。今回の成果について「基礎研究が終わり、
開発段階に移る。安全なエイズの予防薬や治療薬を実現させたい」と話している。
画像 : 田中晴雄教授
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2009/20090825016jf.jpg ソース : 河北新報社
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/08/20090826t65017.htm