地球と暮らす:/86 EYEWITNESS目撃者たち 「ありのまま」伝えたい
「レンズ越しに感じた野生動物の息づかい、砂に生える木々の力強さなど、現場に立ち会った目撃者として地球のありのままの姿を伝えたい」
フォトジャーナリストの桃井和馬さん(47)は力を込めた。桃井さんは7月、
地球環境や自然、野生動物をテーマに活動する他の6人の写真家と「EYEWITNESS(アイウイットネス)目撃者たち」を結成した。
今の地球の姿を子どもたちに伝えるため、学校や教育施設に無償で写真パネルを貸し出したり、共同で巡回写真展を開く。
また、学校とスタジオをインターネットで結び、テレビ会議システムを利用したスライド上映やトークショーもできるという。
設立に加わったのは桃井さんのほか、アザラシの愛らしい写真で知られる小原玲さん
▽海の生命をテーマとする倉沢栄一さん▽屋久島の自然を撮り続ける山下大明さん▽カナダや米アラスカ州の野生動物を追う前川貴行さん
▽戦争で傷ついた人のドキュメンタリー写真を撮ってきた会田法行さん▽インド洋大津波被災地やヒマラヤの氷河を撮影した野田雅也さん。
元報道カメラマンの会田さんは「紛争地や貧困地域を訪れても、そこに暮らす人の表情には未来への希望が感じられる。
だが、自然破壊で干上がった湖のほとりの集落跡を訪ねた時、もうそこで人は生きていけない現実があった」と強調。「壊された自然は取り戻せない。大地と水をテーマに撮りたい」と訴える。
現実の世界を紹介した作品から、理屈抜きで見る人に環境を守る大切さを迫りたいというのが、メンバーの思いだ。
9月5日まで、千葉県浦安市舞浜の「東京ベイホテル東急」ロビーで写真展を開催。同15日には東京都内でトークイベントも開かれる。【藤田祐子】
http://mainichi.jp/life/today/news/20090824ddm016040009000c.html