「特別困難」係長?不適切昇級141市町村で
地方公務員の役職を複数の「級」にまたがるように給料表で格付けするなどして、
職務より上位の給料を支払う「わたり」が、141市町村で行われていることが、読売新聞の調べでわかった。
不適切な人件費は約9200人分、年間33億円に上るとみられる。総務省も「給与は職務と責任に応ずる」と
定めた地方公務員法に違反するとして、初の実態把握に乗り出した。9月にも是正指導する方針だ。
調査は、47都道府県に対し、市町村分を含めてわたりの有無(4月1日現在)を聞いたところ、
都道府県分はすべてが「なし」と回答。市町村分については、26都道府県がわたりの存在を認めた。
市町村数では奈良が16と最も多く、京都13、大分12、北海道11と続いた。18政令市にも尋ねたが、
浜松市のみが「あり」とした。
約9200人の大半は、1人当たり月額3万円前後で一部では6万円前後、職責に応じた職務より
高い給料を得ている計算になる。
総務省は、地方公務員の役職と級の関係が、国家公務員の基準と著しく違わないよう改善を求めてきた。
しかし、是正済みの自治体が報告するだけで、わたりの全体像は不明だった。
つづく