変態新聞でも擁護できず「党首討論では鳩山の精彩がなかった。テレビの地上波中継が無かったのは残念」

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1 コスミレ(長屋)

社説:09衆院選 党首討論 もどかしさだけが残る

もどかしい1時間半だった。もちろん、12日行われた麻生太郎首相(自民党総裁)と
鳩山由紀夫・民主党代表との党首討論のことだ。今月30日の衆院選投票日まで、
「次の首相」を争う両氏だけの討論は恐らくこれが最初で最後となる。それだけに消化不良で終わったのは残念だ。
自民党に対する「不満」と民主党に対する「不安」。今回の衆院選は有権者が
そのどちらを重視するかの選択だという指摘がある。その意味では不満も不安も解消されなかった討論といえるだろう。

とりわけ精彩がなかったのは鳩山氏だ。基本的には官僚主導でなく政治主導の体制を作る一方、
「心の通った政策」を実現するとの従来のメッセージを繰り返したが、麻生首相に対する質問は鋭さを欠いた。
例えば天下り問題だ。最近、駆け込み的に相次いでいる幹部官僚の関係独立行政法人などへの天下りや
「渡り」人事をなぜ、首相が止めないのか、鳩山氏はもっと具体的に追及すべきだった。
自民党も天下り禁止を表明しているが、本当に実行できるのか疑わせる話だからだ。

一方の麻生首相は周到に質問の準備をした節はうかがわせた。民主党への最大の反撃材料は
子ども手当などの財源問題と見ているのだろう。鳩山氏は一般会計・特別会計全体で予算編成を見直し、
無駄な支出や不要不急の予算を削減して財源を作る考えを改めて示したが、
もう少し具体的に説明しないと今後も守勢に回ることになるだろう。
インド洋での海上自衛隊による給油活動など外交・安全保障政策に関しても、首相が攻勢に転じた形だ。
「安保政策に一貫性がない政党に任せられない」という首相に対し、
鳩山氏は「給油以上にアフガニスタンの平和に資する政策がある」などと反論したが、これも抽象的だった。

(中略)

今回の討論は21世紀臨調が主催したものだ。「衆院選は政権と首相を選択する選挙」との流れが定着しつつある中、
実質的に「次の首相」を争っている2人だけの討論会は有権者の重要な判断材料となったはずだ。
ところが、自民、民主以外の各党への配慮などからテレビの地上波では中継されなかった。これも残念なことで今後に重い課題を残した。

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090813k0000m070125000c.html