【宮城・栗っこ】高原の気候を生かしたイチゴ産地の栗原市耕英地区で、
夏イチゴ「サマーキャンディ」の出荷が始まった。
昨年は岩手・宮城内陸地震の影響でイチゴが出荷できずに終わったが、
生産者は懸命に準備を進め、県や市、JA栗っこが提供した苗を
「復興のシンボル」として育て出荷にこぎ着けた。
10月末までに3000パック(1パック300グラム)の出荷を見込んでいる。
地域の生産者の先陣を切って出荷を始めた大場浩徳さんは
「天候や害虫の被害がなければ、一昨年くらいの出荷が見込めそう。
粒も大きくおいしいと思う」と語る。
今年も苗の準備が追いつかず、イチゴ生産は難しいと思われたが、
生産者は一時帰宅の限られた時間を利用して着々と苗床を準備してきた。
避難指示も解除され、5月22日には県や市、JA栗っこが協力して
「サマーキャンディ」の苗1万4800株を生産者に提供。
出荷に向け、本格的な作業に取り掛かることができた。
生産者は「昨年収穫できなかった分も、とは言わなくとも、例年通りの出荷をしたい。
復興のシンボルとして育ててきたイチゴで、支援していただいた皆さんに恩返しをしたい」と口をそろえる。
「サマーキャンディ」は県が育成したオリジナル品種。四季成り性が良く、味もよいのが特徴。
出荷は今月下旬に最盛期を迎え、ケーキなどの業務用を中心に、生食用としても需要がある。
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