ハイテクへの再就職を断念〜シリコンバレー失業者、他業種へ
失業率が全米平均を上回っているカリフォルニアのシリコンバレーでは、
ハイテク業界での再就職をあきらめ、成長している他の分野で職を探す人が増えている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、シリコンバレーの職業訓練所やコミュニティ・カレッジでは最近、
失業した元ハイテク労働者が増えている。
政府援助を受けて失業した各種専門職の再訓練や再就職を助けている同州サニーベイルの
団体プロマッチでは、年初には180人だったサービス利用者が現在は定員いっぱいの225人に増えている。
約80%がハイテク業界出身者だが、その3人に1人はハイテク以外への転職を目指している。
元ハイテク労働者の多くが狙っている異業種は、
成長が見込まれるクリーン・エネルギーや医療関連業界で、教育や金融コンサルティングを目指す人もいる。
ハイテク離れの原因は、業務の海外委託が増えて業界規模が縮小していることや、
業界で「燃え尽きた」人もいるためと考えられる。
シリコンバレーは、かつては不況への強い抵抗力を見せ、
失業率も州平均を下回って全米平均の水準を維持していたが、
2008年末になると企業一般のハイテク支出が減少したため、イーベイなどで人員削減が始まった。
この結果09年5月には失業率が州平均を超え、6月には11.8%に上昇して、
州の11.6%、全米平均の9.7%を大きく上回っている。
特に半導体メーカーの就業者数は前年同期比で13%以上も減少した。
現在、バレーで成長を続けている業界は少ないが、ヘルスケアは6月の就業者数が4.2%増えているほか、
クリーン・テクノロジーは4〜6月期のベンチャー・キャピタル投資が12億ドルと前期比で12%増となっている。
http://www.usfl.com/Daily/News/09/08/0806_037.asp