2010年3月期におけるキー局銘柄の第1四半期決算をグラフ化してみる……(3)TBSの特殊事情とまとめ
2009年08月07日04時50分 / 提供:Garbagenews.com
●主軸事業は放送や否や・TBSの特殊事業
また、各テレビ局毎の特殊事情もそれぞれ別個に数字に反映されている。今回は前年同期同様にTBSにスポットライトを当ててみる。
タイム・スポット広告双方ともキー局中最大の下げ率を記録していることや、収益構造が他局と異なること「など」、注目すべき点が多いからだ。
TBS は、主事業であるはずの「放送事業」が非常に軟調なの状態なのは前述の通り。視聴率は低迷し、
番組改編はうまくいかず、広告出稿は減少するばかり。それでも昨年同期は「副事業」の不動産事業が健闘し、
それなりの数字を出していた。今年の全体的な業績はさすがにテレビ朝日やフジテレビと共に「マイナス組」に追いやれたが、
広告費の減少率ほど他局と比べてもひどい値ではない。これはなぜか。やはり今年も前年同期同様に、副事業の不動産が健闘した結果である。
「テレビの稼ぎと不動産の稼ぎが同じテレビ局」という表現は去年用いたもの。
しかし今年は「テレビの稼ぎの何倍も不動産で稼いでいるテレビ局」と表現せざるを得ない。
これでは売上高はともかく、利益面では「もはやテレビ放送を主たる事業とした放送局では無い」状況にあることが分かる。
今回の一連の記事を箇条書きにまとめると次のようになる。
・テレビCMは番組買取の「タイム広告」と番組の間に流される「スポット広告」に大別される。
・全局とも番組への広告売上は減少。前年同期比で10%を超えており、スポット広告だけでなくタイム広告にまで減少は及んでいる。
・キー局5局のうち日本テレビ放送網とテレビ東京はコストカットを推し進め、前年同期比で利益をプラスに押し上げることに成功した。
・日本テレビとTBSはタイム広告の減少が顕著。個々の番組そのものへの媒体力、魅力が減少していると広告主に判断された可能性がある。
・TBSは昨年以上に放送事業「以外」の事業、不動産業への財務的偏りが進んでいる。
http://news.livedoor.com/article/detail/4287195/