地球と暮らす:/84 環境三四郎 「よそ者」の目で魅力発見
<水と緑の地球環境>
ラムサール条約に登録されたクッチャロ湖があるなど豊かな自然が広がる北海道浜頓別町
(はまとんべつちょう)。釣りやスノーモービルなど自然の中での「遊び」が体験できる。その魅力
を、都会の人と一緒に探そうと、東京大生を中心につくる環境サークル「環境三四郎」は4〜9日
、現地で開催される「はまとん魅力発見プログラム2009」を企画した。
期間中、カヌーでの川下りや風力発電の見学、植樹などを体験し、その間に感じたことを地元
の行政、商工関係者や高校生らと話し合う。「よそ者」の視点で町の魅力を発見し、地元住民に
その価値に気づいてもらい、地域活性の足がかりにするのが狙いだ。
環境三四郎は、92年の地球サミットを契機に、93年10月に発足した。それ以来、学園祭のご
み分別や小学校の環境教育への協力などの活動に取り組む。最近は地方経済の衰退が目立
ち、環境ビジネスも注目される。仲間から「過疎地の活性に貢献する取り組みをしたい」との声が
上がった。
今回の企画の中心である巻島隆雄さん(20)=3年=は08年、同町で開かれたワイズユース(
賢明な利用)をテーマにした学生サミットに参加、町と縁ができた。それ以来、この1年に自費で9
回通った。「当たり前の大自然が、私たちにはとても貴重に映る。貴重な財産がここにはある」と実
感した。
企画のキーワードは「環境共育」。都市住民には豊かな自然のすばらしさを伝え、地元住民には
その価値を認識してもらう。互いに教えあうことから名付けられた。「立場の違う人が交流することで
、新しい何かが誕生する。地元の人が、都会暮らしの大学生の反応を知り、自分の町を誇りに思う
きっかけにしてほしい」と巻島さんは期待する。【江口一】
http://mainichi.jp/select/science/news/20090803ddm016040027000c.html