初の裁判員裁判、3日に開廷=隣人殺害、4日間で審理−午前に6人選任・東京地裁
裁判員裁判第1号となる東京都足立区の隣人殺害事件の初公判が3日、東京地裁(秋葉康弘裁判長)で開かれる。
国民から選ばれた裁判員が、初めて裁判官とともに審理に臨み、判決を出す。6日までの4日間、連日開廷する。
殺人罪に問われた無職藤井勝吉被告(72)は起訴内容を認める方針。裁判員が判断するのは、殺意の程度や情状などの量刑面が中心となるとみられる。
公判では被害者参加制度に基づき、殺害された女性の長男(37)と代理人弁護士も法廷で、被告人質問などをする。
3日午前は、呼び出し状を送付した73人の候補者から、6人の裁判員と3人の補充裁判員を抽選などで決める選任手続きを実施。同日午後に公判が始まり、冒頭陳述などが行われる。
4日は目撃者らの証人尋問や被告人質問、5日午前に被害者遺族の意見陳述や、検察側論告求刑、弁護側最終弁論を経て結審。同日午後から有罪無罪の判断や量刑を決める評議をし、6日に判決が言い渡される。
藤井被告は5月1日に逮捕、22日に起訴された。6月10日、12日に裁判官、検察官、弁護人による公判前整理手続きが行われ、日程や争点が決まった。
起訴状によると、藤井被告は5月1日、足立区の路上で、向かいに住む文春子さん=当時(66)=の胸などをサバイバルナイフで数回刺し、殺害したとされる。
5月21日からスタートした裁判員制度は、殺人や強盗致死傷などの重大事件が対象。同日以降、これまで300件を超える事件が全国で起訴された。8月は東京地裁のほか1件、9月以降に17件の公判日程が決まっている。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009080100219